
『チェンソーマン』の第一部で、デンジを導く公安のデビルハンターとして登場したマキマ。
しかし、物語が進むにつれて、彼女が単なる公安の人物ではなく、自分自身の明確な目的を持って行動していたことが明らかになっていきます。
しかし、その目的を実現するためにマキマが選んだ方法には、大きな問題がありました。
自分が望む世界を実現するために、他者を支配しようとしたことです。
この記事では、「マキマは何を目的としていたのか」「なぜ理想の世界を作ろうとしたのか」「なぜチェンソーマンの力が必要だったのか」という、マキマの目的と思想に焦点を当てて解説します。
マキマの目的とは?結論から解説
マキマの目的を一言で表すなら、チェンソーマンの力を利用して、自分が考える「より良い世界」を作ることです。
マキマは岸辺との会話の中で、チェンソーマンを使ってより良い世界を作りたいという目的を明らかにしています。これは、マキマが単に権力を手に入れたいだけの人物ではなく、自分なりの理想を実現するために行動していたことを示す重要な場面です。
チェンソーマンを使って「より良い世界」を作ること
では、マキマのいう「より良い世界」とは、具体的にどのような世界なのでしょうか。
その答えを考えるうえで重要になるのが、チェンソーマンだけが持つ特殊な力です。
チェンソーマンが悪魔を食べると、その悪魔に対応する存在や概念そのものが世界から消えてしまうことがあります。マキマは、この力を利用することで、自分が「不要」あるいは「なくすべき」と考えるものを世界から取り除こうとしていました。
つまりマキマにとってチェンソーマンは、単に強い戦闘能力を持つ存在ではありません。
世界そのものを変えることができる特別な力を持った存在だったのです。
そのため、マキマがデンジに接近し、チェンソーマンに強い執着を見せていたことも、彼女の目的を知ることでつながっていきます。
マキマにとっての「より良い世界」とは?
マキマが目指していた「より良い世界」は、単純に自分が支配者になりたいというものではありません。
マキマは、チェンソーマンの力によって、人間にとって望ましくないものや、人々を苦しめる原因となるものを世界からなくすことを考えていました。
作中では、チェンソーマンによってすでに存在そのものが消されたものがあることも語られています。マキマは、こうしたチェンソーマンの特殊な力を利用し、さらに自分が望む世界を作ろうとしていたのです。
しかし、ここにはマキマの考え方の大きな特徴があります。
マキマは、「何が人間にとって必要で、何が不要なのか」を自分の価値観によって判断し、その結果をチェンソーマンの力によって実現しようとしていました。
そのため、マキマの目的は「世界を支配したい」という単純なものではなく、自分が正しいと考える世界を、自分の力で作り上げようとする思想だったと考えることができます。
そして、この考え方こそが、マキマが「支配の悪魔」であることとも深く関係しています。
マキマの目的にはチェンソーマンが不可欠だった
マキマがチェンソーマンに執着していた最大の理由は、その特殊な力にあります。
通常の悪魔は倒されても、存在そのものが世界から消えるわけではありません。しかしチェンソーマンには、食べた悪魔に関係する存在や概念を消滅させるという、他の悪魔とは異なる性質があります。
マキマは、この力を利用すれば、自分が望む世界を実現できると考えていました。
そのため、マキマにとってチェンソーマンは、
「倒すべき敵」ではなく、「自分の理想を実現するために必要な存在」だったのです。
そして、デンジの中にチェンソーマンが存在していたことが、マキマとデンジの関係を大きく左右することになります。
なぜマキマがデンジを利用し、どのような方法でチェンソーマンを自分の目的に利用しようとしたのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ マキマはなぜデンジを支配した?チェンソーマンを狙った本当の理由を徹底解説【チェンソーマン】

マキマがチェンソーマンの力を必要とした理由
マキマの目的を理解するうえで重要なのが、なぜ彼女がチェンソーマンにこだわっていたのかという点です。
マキマは単純にチェンソーマンの戦闘能力を利用したかったわけではありません。
チェンソーマンには、他の悪魔とは大きく異なる特殊な力があります。それは、悪魔を食べることで、その悪魔が象徴する名前や概念そのものを、この世界から消すことができるという性質です。
マキマは、この特殊な力こそが、自分の考える「より良い世界」を作るために必要だと考えていました。
チェンソーマンには悪魔を消滅させる特殊な力がある
通常、悪魔は人間に恐れられる限り存在し続け、現世と地獄を行き来することで循環しています。
しかし、チェンソーマンには通常の悪魔にはない特殊な性質があります。
チェンソーマンが悪魔を食べると、その悪魔の名前が表す存在や概念そのものが消滅することがあるのです。
作中では、チェンソーマンによって食べられたことで、かつて存在していたものが人々の記憶や世界から消えていることが語られています。
この力は、単に敵を倒すための能力とは大きく異なります。
悪魔を倒すだけなら、その悪魔が再び現れる可能性があります。しかし、チェンソーマンに食べられた場合は、その存在そのものを世界からなくしてしまえるため、マキマにとって非常に大きな意味を持っていました。
マキマは、この力を利用することで、自分が望む世界を作ろうとしていたのです。
そのため、チェンソーマンはマキマにとって「強い悪魔」というだけではなく、世界のあり方そのものを変えるための力を持った特別な存在でした。
「死」「戦争」「飢餓」などを消そうとした
では、マキマはチェンソーマンの力を使って、何を消そうとしていたのでしょうか。
マキマは作中で、チェンソーマンに食べてもらいたいものとして、「死」「戦争」「飢餓」などを挙げています。
これらは、人間に恐怖や苦しみを与える代表的なものです。
マキマは、こうしたものを世界からなくすことができれば、人類にとってより良い世界を作れると考えていました。
マキマ自身は、人間を苦しめるものを取り除き、自分が理想とするより良い世界を作ることを目的としていました。
ただし、マキマが考える「より良い世界」が、本当にすべての人間にとって幸せな世界だったのかという点には注意が必要です。
マキマは、自分自身の価値観によって「必要なもの」と「不要なもの」を判断し、それをチェンソーマンの力によって消そうとしていました。
そのため、マキマの理想には、単なる平和への願いだけではなく、自分が望む世界を他者に押しつける危険性も含まれていたのです。
マキマが考える「理想の世界」とは?
マキマが目指していた「より良い世界」を理解するには、彼女が何を問題視していたのかを考える必要があります。
マキマは、人間に恐怖や苦しみを与えるものをなくすことで、現在よりも良い世界を作ろうとしていました。
その実現に必要だったのが、チェンソーマンが持つ「存在そのものを消す力」です。
人間を苦しめるものをなくした世界
彼女が目指していたのは、人間にとって不都合なものや苦しみの原因となるものを取り除き、より良い世界を作ることでした。
そのためにマキマは、チェンソーマンの力を利用して「死」「戦争」「飢餓」などを消そうとしていました。
もしこれらのものが本当に世界からなくなれば、人間が受ける苦しみや恐怖も大きく減少すると考えられます。
この点だけを見ると、マキマの目的は人類を救おうとするものにも見えます。
しかし、マキマの理想には大きな問題があります。
それは、「何をなくすべきなのか」をマキマ自身が判断していることです。
マキマにとって都合の悪いものも消してしまう危険性
マキマの理想が危険なのは、世界をより良くするという目的そのものだけではありません。
問題なのは、その理想を実現するために、他者の意思を尊重するのではなく、自分の判断で世界を変えようとしていることです。
例えば、マキマが「人間を苦しめるものだから不要だ」と判断すれば、それをチェンソーマンの力によって世界から消すことができます。
しかし、人間にとって一見すると悪いものでも、それが存在することで生まれる文化や価値観、選択肢まで失われる可能性があります。
つまり、「苦しみのない世界」=「すべての人間にとって理想的な世界」とは限りません。
マキマは、自分が正しいと考える世界を作るために、世界そのものを変えようとしていました。
この考え方には、他者が何を望んでいるのかよりも、自分が正しいと思う答えを優先するマキマの性格が表れています。
そして、ここにマキマが「支配の悪魔」であることとの大きなつながりがあります。
マキマは相手の意思を尊重して理想の世界を作ろうとするのではなく、自分の望む方向へ他者や世界を動かそうとする存在として描かれているのです。
そのため、マキマの目的は「世界平和」という一言だけでは説明できません。
「より良い世界を作る」という理想と、「自分の望む形に世界を変える」という支配的な思想が組み合わさっていることが、マキマというキャラクターの大きな特徴なのです。
マキマの目的とデンジにはどんな関係がある?
マキマの目的を理解すると、なぜ彼女がデンジに近づき、特別な関心を示していたのかも見えてきます。
マキマが目指していたのは、チェンソーマンの力を利用して、自分が考える「より良い世界」を作ることでした。
そのため、マキマにとって重要だったのは、デンジという少年そのものよりも、デンジの中に存在するチェンソーマンでした。
デンジとポチタの関係、そしてマキマがチェンソーマンにこだわった理由を知ることで、物語序盤から続いていたマキマの行動にも違った意味が見えてきます。
マキマが本当に欲しかったのはデンジではなくチェンソーマン
マキマは物語の序盤からデンジに近づき、公安に迎え入れたうえで、食事や住む場所を与えるなど、親身に接していました。
そのため、初めて読んだときには「マキマはデンジを気に入っているのではないか」と感じる読者も少なくありません。
しかし、物語が進むにつれて明らかになるのは、マキマがデンジ自身だけを目的としていたわけではないということです。
マキマが強く求めていたのは、デンジの心臓となっているポチタ、つまりチェンソーマンの力でした。
マキマは、この力を利用して自分の理想とする世界を実現しようとしていました。
そのためデンジは、マキマにとってチェンソーマンへつながる重要な存在だったと考えることができます。
ここで重要なのは、「マキマがデンジを好きだったか」という恋愛的な問題だけではなく、彼女がデンジの中にいるチェンソーマンを目的としていたという点です。
この関係を理解すると、マキマがデンジに近づいた理由も、彼女の「より良い世界」という目的とつながって見えてきます。
デンジとポチタの契約が目的達成の障害になる
マキマの目的にとって、デンジとポチタの契約も重要な意味を持っていました。
ポチタは瀕死のデンジと契約し、デンジが「普通の生活を送り、夢を見ること」を条件の一つとして、心臓となってデンジと一体化しています。
その結果、デンジはチェンソーの悪魔の力を持ちながらも、普通の人間として生活することができていました。
しかし、マキマが求めていたのは、単なるデンジのチェンソーの力ではありません。
彼女が必要としていたのは、ポチタとしてのチェンソーマンの力です。
マキマは、デンジとポチタの契約に関わる心の状態を利用し、最終的にチェンソーマンを自分の望む形で引き出そうとします。
ここから、マキマがデンジに与えていた幸福と、その後に奪っていったものが、彼女の計画と深く関係していたことが分かります。
デンジを利用した具体的な計画
マキマがデンジを利用した計画は、単純に「チェンソーマンを戦わせる」というものではありませんでした。
マキマが求めていたのは、デンジの中にいるチェンソーマンを、自分の目的を実現するために引き出すことです。
そのためにマキマは、まずデンジにとっての「普通の幸せ」を与えていきます。
デンジにとって、それまでほとんど経験したことのなかった平穏な生活が、少しずつ「当たり前の幸せ」になっていきました。
マキマはデンジが幸福を感じるようになった後、その幸福を失わせることで、デンジとポチタの契約に関わる精神状態を崩していきます。
その過程では、デンジにとって大切な存在だったアキやパワーも、マキマの計画に利用されることになります。
こうしてデンジが築いてきた「普通の生活」を壊していくことで、マキマはデンジの精神を追い詰めていきました。
その結果、デンジは自分自身の夢や幸福を維持することが難しい状態へと追い込まれます。
ここで重要なのが、デンジとポチタの契約です。
ポチタはデンジに「普通の生活を送ること」を求め、その心臓となることでデンジと一体化していました。
ところが、デンジが精神的に追い詰められ、自分の望みや生きる目的を失ってしまうと、その契約を維持することも難しくなります。
マキマはこの状態を利用して、デンジの中にあるポチタを表に出そうとしていました。
そして、デンジの中にいるポチタ=チェンソーマンを、自分が望む形で引き出すことでした。
デンジに与えた幸福も、その後に奪ったものも、チェンソーマンを手に入れるための計画につながっていたのです。
マキマの目的が失敗した理由
マキマは、チェンソーマンの力を利用して自分の理想とする世界を作ろうとしていました。
しかし、その計画は最終的に成功しませんでした。
その理由を考えるうえで重要なのが、マキマがチェンソーマンとデンジを完全には思い通りにできなかったことです。
チェンソーマンを完全には支配できなかった
マキマは「支配の悪魔」として、他者を自分の支配下に置く力を持っています。
しかし、チェンソーマンに対するマキマの執着は、単純な支配関係だけでは説明できません。
マキマが本当に求めていたのは、チェンソーマンを自分の理想のために利用することでした。
ところが、最終的にはマキマ自身が望んでいた形でチェンソーマンを完全に手に入れることはできませんでした。
この点は、マキマの計画が崩れていく大きな要因の一つです。
デンジを見誤っていた
マキマはデンジを、自分の目的を実現するために利用できる存在として扱っていました。
しかし、マキマが最後まで十分に理解できなかったのが、デンジ自身の感情と行動です。
デンジはマキマに強く惹かれ、彼女の言葉や行動に大きな影響を受けていました。
それでも最終的には、マキマの思惑とは異なる行動を選択します。
つまり、マキマは人を支配することには長けていましたが、相手の心そのものを完全に理解できていたわけではなかったのです。
最後まで「支配」という方法から離れられなかった
マキマの目的を考えるうえで、重要なのが「支配」という手段です。
マキマは、自分が理想とする世界を実現するために、他者の意思を尊重して協力を求めるのではなく、自分の望む方向へ相手を動かそうとする傾向があります。
マキマにとっては、理想の世界を実現するために必要なものを自分で判断し、それを他者に従わせることが重要でした。
しかし、デンジとの最後の対決では、その「支配する側」と「支配される側」という関係が崩れることになります。
マキマが最後に敗北した理由は、彼女の能力だけではなく、デンジがどのようにマキマの認識の隙を突いたのかということです。
マキマがなぜ最後に敗北したのか、デンジはどのような方法でマキマを倒したのか、については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は、マキマの目的とは何だったのか、なぜチェンソーマンの力を必要としていたのか、そして彼女が考えていた「理想の世界」とはどのようなものだったのかについて解説しました。
マキマの目的を一言でまとめると、チェンソーマンの力を利用して「より良い世界」を作ることでした。
そのためにマキマが必要としていたのが、チェンソーマンだけが持つ特殊な力です。
そしてマキマは、「死」「戦争」「飢餓」など、この世からなくなったほうが人々が幸せになれるものを消し去ることを目指していました。
一見すると、苦しみや恐怖の原因をなくして人々を幸せにするという、平和的な理想にも見えます。
しかし、マキマの理想には大きな問題がありました。
それは、何を「なくしたほうがいいもの」と判断するのかを、マキマ自身の価値観によって決めようとしていたことです。
つまり、マキマにとって必要のないものを世界から消し去ることは、その対象を必要としている人々の意思まで無視することにつながります。
さらに、その理想を実現するためにマキマが選んだ方法は、他者を自分の意思に従わせる「支配」でした。
そのため、マキマが目指した「より良い世界」は、誰もが自由に生きられる世界というよりも、マキマ自身が正しいと考える価値観によって管理された世界になってしまう危険性を持っていたのです。
ここに、マキマが「支配の悪魔」であることと、彼女の目的との大きなつながりがあります。
マキマは人々の苦しみをなくそうとする一方で、そのためなら人々の意思や自由さえも支配しようとしていました。
だからこそ、マキマの目的は単純な「世界征服」ではなく、本人なりの理想を実現するために、チェンソーマンの力と支配の力を利用しようとした計画だったといえます。
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